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熱処理の基礎知識

こちらでは、熱処理の基礎知識を紹介しています。熱処理とは、材料や製品に熱を加える操作のこと。広い意味でいうと、材料加工の一種である金属熱処理や、食品などの加熱殺菌処理などもこの熱処理に含まれます。

鋼をはじめとする金属を加熱・冷却して素材の組織を制御し、金属の性能を向上させる熱処理について、性質変化や基本、大まかな分類などの基礎知識をまとめています。

熱処理の性質変化

日本金属熱処理工業会では、熱処理を「赤めて冷ますこと」と記載していて、金属材料に加熱と冷却を加えて、形を変えることなく性質を向上させる加工技術のことをいいます。

「強さ・硬さ・粘り・耐衝撃性・耐腐食性・耐食性・耐摩耗性・被削性・冷間加工性」などが変化させる性質で、切断や塑性加工などと同じ、金属加工の一種に分類されています。

参照元:一般社団法人 日本金属熱処理工業会【PDF】(https://www.netsushori.jp/comment/Netsusyori.pdf)

熱処理の基本

焼き入れ・焼もどし・焼なまし・焼ならしの違い

熱処理には「焼き入れ・焼もどし・焼なまし・焼ならし」などの加工方法があります。硬くするだけでなく、さびにくくしたり、軟らかくしたり、表面を均一化するなど、さまざまな目的のために行われる処理です。中でも、「焼き入れ・焼もどし」の基本となる処理は、硬さなどの機械的性質を調整するのが目的です。

一般的な鋼は、約700°Cまで加熱することで素材が赤く色づき、結晶構造や性質の変化が始まります。このような性質変化を「変態」といい、その変化がはじまる温度を「変態温度」といいます。

変態温度を超えると、鋼はオーステナイトと呼ばれる組織に変化。その後。鋼が黒くなる温度である約550°C まで冷却すれば、軟らかいオーステナイトは硬いマルテンサイトという組織に変化します。

焼き入れ・焼もどし・焼なまし・
焼ならしの違いについて見る

焼き入れだけだと、
鋼は硬く脆くなる

鋼は、熱した後に急激に冷却すると硬くなるという性質を利用し、素材を硬くする熱処理方法を「焼き入れ」と呼んでいます。この焼き入れの際は、約550°C以下にまで素早く冷却しないと硬化しませんので、冷却時間と冷却温度もとても大事な要素です。

しかし、焼き入れを行った鋼は、硬く脆い性質となっているため、実際に使用するためには、変態温度を超えない範囲内で再加熱を行う「焼もどし」を行わなければいけません。焼き入れ後にこの焼もどしを行うことで、硬くて強い素材に変化します。

熱処理の大まかな分類

一般熱処理

熱処理にはさまざまな加工方法がありますが、大まかな分類としては「全体熱処理・表面熱処理」があります。全体熱処理は素材全体を変態させる熱処理のこと。

大きくわけて、「一般熱処理・特殊熱処理」があります。一般熱処理に該当するのは「焼き入れ・焼もどし・焼なまし・焼ならし」、特殊熱処理に該当するのは「サブゼロ処理・固溶化処理」です

サブゼロ処理とは?
について詳しくみる

表面熱処理

内部組織はそのまま、素材表面のみを変態させる熱加工を表面熱処理といい、「表面硬化熱処理・表面改質熱処理」に分けられます。

表面硬化熱処理は、加熱・冷却することで表面だけを硬化させる熱処理ですが、表面改質熱処理は、窒素や硫黄などを拡散・蒸着させ、表面の改善を行う処理のことをいいます。

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引用元:https://nippa-kk.co.jp/

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